滑稽である事を忘れない
相手はクラスメイトの人気者より仕事のデキる先輩よりずっと一緒にいた幼馴染より、遠い遠い、アイドルだ。
文章でこう見ると、我ながらどうにも気持ち悪い。
みたいな感じで厨二病拗らせポエムブログになります。地雷の匂いを少しでも感じた方は早めにお逃げください。
ガチ恋やファンの定義など、あくまで私個人の考えです。
「ガチ恋は気持ち悪い」と思っている訳では無く、「ガチ恋してる『自分』気持ち悪い」という自分に対してだけのベクトルです。他の方を貶める意図などはまったくありません。
拗らせ過ぎて他人に迷惑をかけない為の吐き出しブログであり、見られる事を余り意識していない文章なので支離滅裂で下手くそな日本語ばかりだと思いますがご容赦ください。
何がどうしてこうなった?と、自分でも思う。
私は、アイドルや若手俳優に『ガチ恋』する人達を遠いものだと思っていた。
ブログやTwitterで気持ちを綴る方達を見て、「すごいなぁこういう人達もいるんだなぁ」なんて他人行儀に思っていた。
私は元々二次元が好きで、イケメンのキャラに悲鳴をあげ友人と語り合う事はあれど、恋をする程気持ちを傾けた事は無かった。
三次元のアイドルを好きになって、でも最初の頃は二次元を好きだった頃と同じだった。
CDやDVDを買って、好きなだけ眺めて聴いて、雑誌を買って、出演する番組を録画して、一緒にドルヲタ落ちした姉と毎日騒いで。
ずっと『ファン』として、アイドルが潤してくれる日常を楽しんでいた。
コンサートにも行った。
ファンサを貰った事は無かったけれど、生で動いてる彼等を見られて、嗚呼生きてるんだと当たり前の事に感動した。
こんな人達がいるなら三次元も捨てたもんじゃねーなと思った。
ある日、ずっと一番に推していた人とは別に最近気になっていた人のイベントがあると聞いた。
なんと直接ハイタッチが出来るらしい。
三次元やべーな。
そう思いながらうきうきと会場へ出向いた。
イベントの数日前、その彼が歌って踊っている所をじっくりと見て
「あれ?この人めちゃくちゃカッコ良くないか?」
と単純に好きになっていた私は、冗談で「推し変わっちゃうかもな〜」なんて言っていた。
沢山の女の子の中に混じり列に並んで、緊張すら楽しんでいた。
なんて言おうかな、何を伝えようかなと色々考えていた。
そして、順番がやってくる。
一人前にドキドキして、来場者プレゼントを渡される時はまっすぐに顔が見られなかった。
緊張でぼんやりした頭のまま、ほとんど無意識にプレゼントを受け取って、ハイタッチの為に差し出された手に自分の手を触れさせた瞬間、やっと彼の顔を直視出来た。
カッコイイ、と思って、それから口をついて出てきたのは「大好きです」だった。
会場に着くまでずっと考えて用意していた言葉なんて吹っ飛んでいて、気付いたらその一言を口走っていた。
今思い返すと良くそんな大胆な事言えたなとびっくりする。
私の「大好きです」を聞いて、ハイタッチで軽く触れた手がぎゅっと握られた。
私より背の高い彼が少し屈んでしっかりと目線を合わせて、こちらを見つめて「ありがとう」と言ってくれた。
大事故だ。
係員さんに流されるまま順路を歩いて会場の外に出る辺りまでの記憶がほぼ無い。
ただ握られた手が熱かった。
感じた事はもっとあるのだが、こと細かにそれを書くとポエムが過ぎるので(もう手遅れだと思うけど)この辺りでやめておく。
文章で綴ってみると本当に気持ち悪い。
彼はあの日集まった何百人のファン全員と手を触れさせているし、握手を交わした人も私だけでは無い筈だ。
大好きですと言われありがとうと返した事も沢山あったと思う。
自分が何百分の一である事をじっくり認識してみても、私が『落とされた』事は(というか勝手に落ちたのだが)変わらなかった。
推しが変わるぐらいの方が何倍も良かった。
長ったらしく語ったが、正直この気持ちは本当に恋なんだろうかと思う時も多々ある。
付き合いたいとか結婚したいとか、考えたりはするし口にしたりする。
でもそれは現実感がまるで無い。
ただ、彼に売れて欲しくないと思う。
アイドル本人が「もっと売れたい、大きな所でコンサートがしたい。芝居ももっとしたい」と言っているにも関わらず、私は願ってしまう。
見つからないで。あなたの事を好きな人を増やさないで。遠くに行かないで。
アイドルとして成功する事を心から祈れない自分が大嫌いだ。
この時点で、私は私の中の定義ではファン失格なのだ。
私よりも、もっと痛烈に彼に本気で恋をしている人はいると思う。
私は『アイドルにガチ恋なんて拗らすもんじゃない』とずっと言ってきた人間なので、「彼にガチ恋してます」とは羞恥も臆面もなく言えはしない。
でもただのファンだと言い切るには私は彼の事を考えられていない。
自分はファン以下だと思う。
中途半端だ。近付こうと全通したり出待ちをしたりをしている訳でもない。
きっかけがきっかけなので、他のアイドルと同じようなイベントで触れ合えばその人に恋してしまうのかもしれないと、思わなくは無い。
私はすごく飽き性で、好きなジャンル、習い事、好きな食べ物まで割とすぐに変わる。
一年後、半年後、下手をすれば一ヶ月後、彼とは違う人を見ているかもしれない。
それでも今この瞬間、無意識に私の目が追うのは、笑顔を見るだけでこんなにも心臓が痛くなるのは、世界中であの人一人しかいないのだ。
拗らせてるなぁ。冷静に鼻で笑う自分もいる。
今の自分は滑稽だと忘れないように、戒めを込めて。